過ぎ行く風景
バツイチカケスのゆるゆる人生 BGMも交えて のんびりゆったり歩きます
いらっしゃいませ

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カケス

マスター : カケス
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MIKASA













 有料道路の出口を抜けた先は、道が緩やかにカーブしながら、上り坂へ伸びている。

 アクセルを踏み込んで、上り坂の峠を越えると、急に視界が開け、眼下に港町が広がった。









 朝日の差し込む港を横目に見ながら、僕は、軽くブレーキを踏み、港町への下り坂を降りていく。


 



 ―― 皮肉なもんだな。 約束した場所と、約束を破る場所が、同じ町なんて。



 僕は、軽くため息をついて、助手席の上に置かれた封筒を、ちらりと見た。


 封筒の中には、僕が昨夜、作成した文書が入っている。


 直接の話し合いに応じようとしない妻に、仲裁役である司法書士の先生から作成を勧められた、夫婦関係改善の提案書だった。


 その提案書を叩き台に、先生と打ち合わせをするために、僕は、この町にある先生の事務所へと、車を走らせていたのだった。


 


 


 


 急坂の曲がりくねったカーブを何度も通り過ぎるにつれて、目の前に港が開けてくる。


 朝の日差しに輝く港の水面には、何隻もの船が停泊していた。


 しかし、普通の港の風景とは、少し違っている。


 停泊している船のほとんどは、統一された灰色に塗られていて、時折、黒色の潜水艦のデッキが、水面から顔を覗かせているのがわかる。


 そう、ここは、普通の港ではない。


 天然の要害に守られた、昔からの軍港なのだ。


 


 結婚する前の、僕の本籍は、この港町だった。


 僕の父親、祖父、曽祖父 ―― はるか昔から、僕の祖先は、この軍港を見ながら育ってきた。


 


 


 


 司法書士の先生が、この港町に事務所をかまえていたのは、数奇な偶然だった。


  僕は、車を駐車場に止めると、先生の名刺に書いてある住所をもとに、事務所へ向かった。


 先生の事務所は、街中の、ワンルームマンションの、8階にある。


 マンションのエントランスのインターホンで、事務所の部屋番号を押すと、聞きなれた先生の声が応答し、扉のロックが開いた。


 僕は、少しためらいながら、エントランスをくぐった。


 


 


 


 『カケスさん、ご多忙のところ、お越し頂きまして、どうもすみません』



 先生は、早口で、僕を迎え入れてくれた。



 『どうぞ、お座りになってください 道は渋滞してませんでしたか? ―― ああ、いま、お茶をお入れします』



 あわただしく立ち上がる先生を前に、僕は、頭を下げた。



 『いえ、どうぞ、お構いにならないでください』


 『いえいえ、陽気も暑くなってきましたから、アイスコーヒーのほうが良いですかね。 どうぞ、お座りになって、少し待ってくださいね ―― 』



 先生は、忙しくキッチンへ立っていく。


 僕は、部屋の中央に置かれた打ち合わせ机に座って、先生を待った。


 


 手持ち無沙汰になった僕は、失礼にならないよう、そっと事務所の中を見回した。


 壁一面には、本棚がしつらえてあり、法律事務関係の本が所狭しと詰め込まれている。


 ふたつの机の上には、パソコンとプリンターが、1台ずつ。


 そして、窓の外には、ここへ来るときに見た、殺風景な軍港が、一面に広がっている。


 


 ほどなくして、先生が、アイスコーヒーを手に、机の対面に座った。



 『早速ですが、カケスさんに検討いただきました件、どうだったでしょうか』


 『はい。 箇条書きで、作成しました』



 僕は、作成してきたA4の書類を、封筒から出し、先生に手渡した。


 


 先生は、一行一行を丹念に指で追いながら、一気に書類を読み通し、うなずいた。



 『―― わかりました。  カケスさんの誠意は、私のほうから奥さまに、この文面のとおり、お伝えしましょう』


 『よろしくお願いします。 ―― ですが』



 僕は、戸惑って、軽く手を握り締めた。



 『―― 彼女が、これを受け入れるのか、僕自身、疑問がぬぐえないんです。 本当に、これで、効果があるのかどうか ――』 



 先生は、書類から顔を上げると、僕の目を見た。
  

 『問題がこじれたとき、たいていは、複雑な原因が、絡み合っています。 そんな問題を解決するときには、絡み合った原因を、ひとつひとつ、解決していくしかないんです。
 そのためのステップとして、原因を明らかにして、どう解決するかを整理することが必要なんですよ。
 奥様からは、一度、簡単にお話を伺いました。 ―― 短時間のお話でしたが、致命的な問題は、見当たらないように思います。
 私自身は、関係の修復は、不可能ではないとみています』



 先生は、軽く微笑むと、再び、書類に目を落とした。



 『カケスさん、この項目、―― 業務上やむを得ない場合を除き、残業は通常、1日に2時間程度までとし、早く帰宅して育児に専念する、 とありますが ―― 会社がお忙しいはずです。 この項目を、守り抜くことができますか?』



 僕は、一瞬、言葉に詰まって、―― そして、言った。



 『はい ―― できます』



 僕は、窓の外に広がる港、停泊中の艦船に目を落とした。


 


 


 


 たしか、小学生の頃だったように思う。


 僕の大好きだった祖父は、遊びに来た僕を、ひざの上に載せて、こんな話をしてくれた。



 ―― カケスや、お前の、ひいお爺さんは、船を作っていたんだよ。


 ―― ふうん、お船って、あの、水に浮かんでるの?



 僕が、無邪気に答えると、祖父は、満足そうにうなずいた。



 ―― そうだよ。 あるとき、日本は、とおいとおい国から、おおきな船を買った。
     でも、そのままでは、うまく使えなかったんだ。


 ―― にっぽんじゃ、つかえないの?


 ―― そうだね。 だから、なおすために、ひいお爺さんは、その、とおいとおい国へ行って、
     おべんきょうをしたんだ。


 ―― おべんきょうをしたら、なおせたの?


 ―― そう。 いっしょうけんめいに、なおしたんだよ。
     そうしたら、その船は、日本を、救うことができたんだ。


 ―― すくう? たすけること?


 ―― そうだね。 りっぱだろう。 だから、わしも、船をつくるしごとを、することにしたんだ。
     カケスも、いつか、りっぱな技術で、りっぱなしごとをするんだよ。


 ―― うん、する!



 僕が、元気よく答えると、祖父は、しわだらけの手で、僕の頭をぐりぐりと撫でた。



 ―― よしよし。 いい子だ。 わしとの約束だよ。 絶対だ。


 ―― うん、やくそくする! ぜったいだよ!



 それから間もなくして、祖父は、その生涯を閉じた。


 



 その後、何年も経って、父にその話をしたことがある。


 電気技術者の父は、ちょっと思い出す素振りをして、答えた。



 ―― うん、確かに、聞いたことがある。カケスのひい爺さんは、造船技術者で、
     図面を引いていたんだ。


 ―― 外国へ行ったっていうのは?


 ―― イギリスだろう。 マンチェスターに留学して、造船技術を学んだ、と聞いて
     いるけどね。
     帰ってきて、戦艦三笠の改良設計に携わったらしい。


 ―― 三笠…って、もしかして、あの、日露戦争で、ロシアの主力艦隊を打ち破った?



 僕が言うと、父は、ちょっと暗い表情を見せた。 大戦世代の父は、戦争の話を好まない。



 ―― … まあ、そうだね。その海戦で、バルチック艦隊を壊滅させたことを口実に、
     日本は強引に、ロシアに勝ったことにしてしまったようだが。


 ―― そういえば、うちの親戚って、設計者ばっかりだね。その関係かなあ?


 ―― みんな、軍艦を見ながら育ったからね。 びっくりするくらい、大きな軍艦が、大波を
     かき分けて、力強く進んでいく。
     年頃の男の子供なら、技術っていうものの力に、憧れを抱くものじゃないかな?



 父は、昔の自分を思い出したように、ふっ、と笑った。


 


 そして、僕も例外ではなかった。


 船を見て育ってはいないものの、好きだった祖父との約束を忘れず、父の影響を受けて育ち、兄とともに、設計技術者の道を選んだのだった。


 その仕事は、過酷というに等しかったが、やりがいに満ちていた。


 


 


 


 司法書士の先生の目は、じっと、書類の、残業の項目に注がれていた。



 『なにか、具体的に、残業を抑える手立てを、講じることができるのですか。 今の時代、なかなか、会社員が個人の意思を通すのは、難しいと思うのですが』



 『―― 。』



 『こうして書面に出す以上、項目を守ることが前提となります。 少々厳しい見方をすれば、契約書のようなものと考えてください』



 僕は、静かに、深呼吸をした。



 『その項目を、守ることはできます。―― 社内で、職種転換の目処が立ちましたので』


 『職種転換?』


 『設計の最前線から退いて、スタッフ部門への、配置転換の希望を申請しました。 双子の育児のためと説明して、それが通り、内示が出ました。
 多忙の時期が皆無とはいいませんが、ほぼ、毎日、一定の時間に帰れます』



 先生は、手にしたペンで、机を、コツコツ、と叩いた。



 その手が止まると、先生は、顔を上げた。



 『―― わかりました。 出していただいた全項目をもとに、私が奥さまへ、お話しましょう。 ―― どうも、ご検討、お疲れさまでした』


 『では、―― どうぞ、よろしくお願いします』



 僕は、先生に、深々と頭を下げ、立ち上がった。


 


 


 先生は、僕を玄関まで見送ってきた。



 『帰りは渋滞するかもしれません。 運転には気をつけてくださいね』


 『はい。 どうも、ありがとうございます』



 僕は、玄関で靴を履きながら答えると、ドアのノブに手をかける。


 


 


 ドアを開けようとする僕に、ふと、先生が、低い声でささやいた。



 『カケスさん、―― 私も、職業柄、色々な方を見ています。 社内で仕事を変えるという話 ―― カケスさんにとっては、大きな決断だったんじゃないですか?』



 僕は、一瞬、体を凍りつかせた。


 先生は、そのまま、じっと黙っている。


 


 僕は、振り向いて、先生の顔を見た。



 『いえ。 ―― もう、体力的にも、限界を感じ始めていました。
 なによりも、時代の流れで、僕の技術分野は、新しい分野に、取って代わられつつあります。  社内でも、先行きが読めない状態なんです。
 ――変わるには、ちょうど良い機会でした』


 『―― そうですか』


 『新しい仕事も、技術関係ではありませんが、誰にでもできる仕事内容ではありません。
 一から勉強のやり直しですが、なに、がんばってみますよ』



 先生は、大きくうなずいた。



 『是非、がんばってください』


 『はい。―― それでは、失礼します』



 僕は、軽く会釈をして、先生に別れを告げた。


 


 


 


 


 事務所の外に出ると、通路からも、港に停泊する艦船を、見渡すことができた。


 それを見ながら、僕は、口の中で、本当に、かすかな声でつぶやいた。


 


 


     ―― 爺さん、すまない。 約束、果たせなかったね。


  


 


 


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丘の上の喫茶店のお茶会話
三笠かぁ~…
[斜体]ザッパーン/斜体]v-466
戻ってきました。お支払いに(爆)

戦争なんて大嫌いですが、戦艦ってなんで格好よく感じるんでしょうね?(大いなる矛盾)
あんなデッカイ艦動かして、陣取りゲーム(本当に遊びで人死にのない)やるぐらい大人な
精神の、ゆとりの世の中だったら良かったのに。

ところでカケスさん、「ピタゴラスイッチ」一緒に考えませんか?e-222
(いっぺん作ってみたい~見当がつかないけどe-263
上手くいったらブログにUPじゃ!v-41
【2006/10/11 17:54】 URL | モラ・バスター #- [ 編集]

しっぱい
v-12

e-458←これ動くの?
アニメーションのアイコンって、どこ見ればわかるんでしょ?
【2006/10/11 17:58】 URL | モラ・バスター #- [ 編集]

チーン(レジの音)おおきに~
いらっしゃいませー、モラ・バスターさん。

僕は別の町で育ったんですが…

正直言って、あんまり、あの港町は、好きになれなかったです。
つい最近はけっこう、雰囲気もきれいに変わってきたのですが、
昔は、ちょっと…う~ん、パス! みたいな感じで。

でも、司法書士のセンセイの事務所がそこにあったので。
何度か、行くハメになりました。
どーにも縁起の悪い町ですのう…


で、思いっきり、話が重くなってきたので、
次回は、ひさびさに「わらっちゃいました」テーマ行きます。
いや、笑えるかは謎(爆)


 お子さまと楽しめる、マスターのお宝&うんちく、大公開!!

               (の予定:きまぐれマスター)

けっこう大変な思いして、家に持ち帰ったのですが…
なんでも鑑定団に出したら、値がつくだろうか…(涙)

> ところでカケスさん、「ピタゴラスイッチ」一緒に考えませんか?

あれ、大ファンです(爆)昔、NHKの『できるかな』もファンでした。

せっかくだから、ピタゴラスイッチは…動画で公開せねば…
もうすこし、ブログのお勉強します(涙)

> アニメーションのアイコンって、どこ見ればわかるんでしょ?

わかりません(涙)携帯のアイコンをそのままパクってるみたいなので
携帯見れば、わかるのかな…

鍛錬したそのモラ・バスターさんの技、もしかしたら、もうすぐ
日の目を見る?(謎)
【2006/10/11 23:22】 URL | カケス #- [ 編集]



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