過ぎ行く風景
バツイチカケスのゆるゆる人生 BGMも交えて のんびりゆったり歩きます
いらっしゃいませ

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 窓の外は、きれいに晴れ上がって、目にしみるような青空が広がっている。


 さっきまで、激しく振り注いだ通り雨が、嘘のようだった。


 


 


  僕は、窓から目を落として、机のパソコンのディスプレイを見つめた。


 もう長いこと、僕は、同じ画面を、何度も、行ったり来たりしている。



 ディスプレイに表示されているのは、ネット銀行の、── 新規口座開設の申請画面。



 諸事項を入力したあと、最後の一項目の記入で、申請は終わるはずだった。



 それなのに、その一項目の記入ができなくて、僕の手は止まっている。


 


 僕はため息をつくと、机の隅に、無造作に置いてある何通かの書類を、ぼんやりと見つめた。


 もう、何度も手にとって、見返しては、また机の隅に投げるように置いた書類だ。


 
 ── 仕方がないじゃないか。


 僕は、自分に言い聞かせるように、投げやりに、つぶやいていた。


 


 


 


 


 その書類が、はじめて家のポストに届いたのは、妻が突然出て行く、一週間前のことだった。


 契約しているケーブルテレビの封筒を、何気なく開封した僕は、封入されていた書類の意味がわからず、何度か読み返していた。


  『 利用料等のご請求について ──
   今月お引き落としを予定しておりましたお客様のご利用料が、ご指定口座よりお引き落とし
   出来ませんでしたので、ご請求申し上げます ──』



 ──おかしい。

 メインで使っている銀行口座は、妻が管理している。


 彼女は、昔、銀行に勤めていた。


 そのせいもあってか、金銭面は、実に、きっちりと処理をする。
 僕も、そんな彼女を信頼し、金銭関係は、全面的に管理を依頼していた。


 彼女のこんなミスは、いままで、見たことがない。



 とはいっても、彼女も人間だ。 育児疲れも手伝って、気が回らないこともあったのだろう。


 しかし、メイン口座は、もともと、ある程度の余裕を持たせていたはずだった。 子供に出費がかさむといっても、即座に残高がショートするのは、ちょっと考えにくい。


 不思議に思った僕は、携帯から、すぐ近所の実家にいる彼女に、メールを打った。


 ── こんばんは。
   Aケーブルテレビから、利用料の請求がありました。 子供たちの世話で手が回らないと思う
  から、 とりあえず、僕の手持ちの現金を引き落し口座に振り込んでおきます。
   ちょっとメイン口座の残高が心もとないようです。他の銀行の口座から、振り替える必要が
  あったら、忙しいだろうから僕がやっておきます。 どの口座から振り替えればいいか、教えて
  ください。



 妻の元銀行員としてののプライドを傷つけないよう、注意深く、言葉を選んだつもりだった。



 しかし、果たせるかな、彼女からの返事はなかった。
 彼女のプライドに、触れてしまったのか。


 僕は黙って、翌日、自分の財布からメイン口座に、現金を預け入れ、この一件は忘れることにした。


 



 だが、事件は、これだけでは収まらなかった。



 その数日後から、カード会社をはじめとする複数の会社から、督促状が届き始めたのだ。


 残高不足での引き落とし不可によるもので、借金ではなかったが、さすがに事態を重く見た僕は、彼女に事情を聞くことにした。


 しかし、彼女が、僕に事情を説明することはなかった。


 彼女は、そのまま、双子の子供を連れて実家にこもり、僕に離婚を宣言したのだった。


 


 そのとき初めて、僕は、すべての事情を悟った。


 彼女は、すべての銀行通帳、保険証書、僕の銀行印と、実印を持ち出していた。


 冷静に考えれば、すぐさま、然るべき対処をしなければならないことは、明らかだった。


 しかし、僕は、彼女を信じたい気持ちが勝り、ためらっていた。
 彼女なら、無謀な行動は取らないだろう、という思いもあった。




 ── カケスさん、お気持ちは充分、お察しします。
   しかし、まずは、状況を調べてみませんか。 その上で、どうすべきか判断してもいいでしょう。


 彼女との仲裁役に入ってくれていた司法書士は、僕に、そうアドバイスした。


 僕は、しばらく考えてから、答えた。


 ── なんとか、彼女と話し合いができるまで、様子を見たいのです。
   大事な話し合いの前に、下手に彼女を刺激したくない。
   感情に流されているのかもしれませんが、彼女の真意を知りたいのです。



 司法書士の先生は、そうですか、と言ったきり、それ以上、僕に調査を勧めることはなかった。




 しかし、翌日、追い討ちをかけるように、新しい督促状がポストに届いた。


 僕は、さすがに決意を固め、その場で会社に休暇の連絡をとると、銀行に向かった。


 メイン銀行口座の、過去5年間の取引明細書発行を依頼する。


 これは特に問題はなかったが、別の銀行の取引明細書発行で、戸惑った。 情報保護の意味合いもあるのだろうが、1か月分の取引明細発行で、五千円近い手数料となっている。


 僕は、あたりをつけ、彼女が出ていった月と、その3ヶ月前の、2か月分の明細を依頼した。


 


 一週間後、届いた明細の封筒を空けた僕は、ため息をついた。


 メイン銀行の口座残高は、数ヶ月前から、徐々に減っていって、現在は残高がほとんどない。


 もうひとつの銀行では、3ヶ月前の取引明細で、かなりの金額が引き出されており、彼女が出て行った月の明細では、あろうことか、残高がマイナスになっていた。


 ── 止むを得ない。


 観念した僕は、すぐさま車に乗り込むと、区役所に向かい、実印の登録抹消手続きをし、司法書士の先生に、メールを打った。


 ── 残念ですが、先生が危惧されたとおりでした。 現在、彼女は、銀行残高の管理を放棄して
  いるようです。
   明日、私の給与が口座に振り込まれますが、私は、当日の朝、必要最低限の金額を残して、
  給与を、口座から引き出し、自分の管理下に置きます。
   妻には、生活費が必要でしょうから、当面の妥当な金額を早急にご調整頂きたく、お願い
  申し上げます ──


 


 


 


 


 窓の外では、電線の上に、つがいだろうか、2羽の鳩が止まり、羽を休めている。


 その向こう側、まるで皮肉のように、爽やかに晴れ渡った青空を窓の外に見ながら、僕は幾度となく、これまでのことを思い出していた。




 いま、僕が作ろうとしている口座は、もはや家族ではない、僕個人だけの、給与振込口座。


 元銀行員の裏事情に詳しい彼女の手の届きにくいよう、あえて、ドライなネット銀行を選んだ。



 ── もう、元の家族には戻れないだろう。



 そんな思いで、ネット銀行の口座開設の申請をしていたのだが、最後の、希望パスワードの記入欄を前に、僕は迷っていた。


 彼女と共有の、これまでの家族共有パスワードを入力したい気持ちが、僕の指を止めていたのだ。


 もちろん、そんなことをしては、口座を別にする意味がない。 しかし、気持ちの中で、別のパスワード、鍵を作ってしまうことに、二度と戻れない決別のような、悲しさがあった。



 僕は、やりきれない思いのまま、窓の外、電線に並んで止まっている2羽の鳩を眺めた。


 
 ── 仕方がないじゃないか。



 僕が、つぶやくと、まるで聞いていたかのように、突然、2羽の鳩が、電線から飛び立った。


 一羽は、まっすぐに何処かへ飛んで行き、もう一羽は、電線の上をぐるりと一周したあと、まったく別の方向へ飛び去っていく。


 


 別々の方向に飛んで行く鳩を、しばらく眺めていた僕は、姿勢を正して、最後の項目の入力に取り掛かった。


 


 


 ── 彼女の知らない、 僕ひとりの、 パス・ワードを。


 


 


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丘の上の喫茶店のお茶会話
ツケを支払いに来店したら・・・
すいません、泣いてしまいました…
やっぱり元奥様、お友達になれません!!(いや、向こうの方でノーサンキューでしょうけれど^_^;)
やり方がいやらしいです。

私は離婚する前に、散々夫に話し合いを持ちかけ、話をそらされ・泣きつかれ続け、
疲れ果てた末での別居でした。

同じ別居敢行でも、自分のしでかしたことがバレそうな頃にとんずら&連絡なし・・・
の手段がどうにもやらしいです・・・

カケスさんの心情を思うとつい鳴いて、じゃない泣いてしまいました。

いいんですよ、自分だけのパスワード!!
それは幸せへの呪文です!

また寄らせてくださいね!!
【2006/09/05 15:18】 URL | 虎子『離婚・デトックス!』 #Xk/vyiCg [ 編集]

いらっしゃいませ
 どうも、虎子さん、理解していただいて、ありがとうございます。
 あ…、ハンカチ、どうぞ。
 きっと、虎子さんほど、激しく辛い思いは、していないと思います…。

 ただ、自分の家庭の崩壊を食い止められなかった…という思いは、
悔しさといっしょに、どうしても、胸の中に傷として残ります。
 これは、僕が男だからかもしれません。
 ああしておけば、これもしておけば、自分は家族を守れたのでは…と
後悔ばかりが残ります。

 ブログの記事のほうも、なんだか離婚の周辺部分だけをうろうろ書いて
いるだけで、踏み込めていないな、と思います。
 でも、いつか、時が解決してくれると思いますので、どうぞ、気長に
この怠惰ブログに、お付き合いください。
 ブログの記事を読んで頂けた人が、もし、ほんの少しでも、何かを感じて
もらえたら、こんなに嬉しいことはありません。

 どうも、ありがとうございました。
 あ、神戸の中華街の問屋から、燕龍茶を取り寄せましたよ。
 どうぞ、一服して行ってくださいね。
 お代は…サービスします。

 v-365それではv-365
【2006/09/05 22:33】 URL | カケス #- [ 編集]



それは事実か創作か(爆) | BLOG TOP | Eternal August
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