過ぎ行く風景
バツイチカケスのゆるゆる人生 BGMも交えて のんびりゆったり歩きます
いらっしゃいませ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。



プロフィール

カケス

マスター : カケス
5年前、新しい人生の
スタートを切りました。
今はゆっくりと心身を
癒している最中。
近くに温泉が噴出したので、
週末を楽しんでいます。





周辺散策まっぷ


ameba lanking banner

▼ こんな男 要らねぇ !!
箱ミネコの離婚日記(暴走)
こんなオトコ要らねぇ~ミネコの「モラハラ」リコン日記
元夫から「モラハラ」を受けた
漫画家の筆者がやり場のない
怒りを爆発、ペン先を潰しつつ
執筆した著作、ついにマガジン
ハウスより、電撃発売が決定。
早くも大増刷準備か?

▼ カッパの南国別館
▼ 離婚・デトックス!
▼モラル・ハラスメント
 被 害 者 同 盟

▼95%モラハラ夫!
▼シングルマザーのゆううつ
▼ にゃりんたが行く
▼ 地上12,000mmの沃地
|電柱|`∇´)ノ





最近のお茶会話



コース別 メニュー



本日のおすすめ



月別アーカイブ



屋根裏部屋

全タイトルを表示



マスターへご注文

メールはこちらから

名前:
メール:
件名:
本文:



記事検索

指定言葉を含む記事を表示



お気に入り

Master of Coffeehouse Wolds
Found Gadgetries as . . .


foo bath bookstand
Relaxing Bath BookStand


just an old fashioned coffeemaker
old Fashioned Coffeemaker


One day, a little Chick visited Coffeehouse Wolds and....
One day, a Chick visited my...



piano player
Karaoke Network Comunity


家頁画廊~Web素材集~
Funny Style Illustration



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

この素晴らしき世界

a certain interchange








 いつもにも増して、どこまでも深い、静かな夜だった。


 


  僕は、毛布を丸めて、紐で縛り終えてから、壁の時計を見上げた。

  ── 23時。

  約束は、今日の24時までの退去だった。そろそろ、時間が近づいている。



 僕は毛布を抱え上げ、サッシの掃き出し窓を開けると、庭に出た。

 止めてあるの車のドアをそっと開け、毛布を後部座席に押し込む。 もう、持ち出す荷物は、これで最後だ。
 あとは、── あとは、この僕が、出て行くだけ。 



 戸締りをするために家に入ると、なにか、乾ききった匂いが家の中に漂っているような気がした。 あと数分で、人の気配の消え去る家。 もう、笑い声は響かない。

  僕は、そばに置いてあった紙を手に取ると、なにか言葉を残そうとして、── そして、やめた。 白紙のままの紙を、テーブルの上にそっと置き、部屋の電気を消した。


 


 


 走り出した車のフロントガラスは、慣れ親しんだ街の外灯を映し出していた。

 僕と彼女が、一緒の人生を始めた街。
 結婚式の帰り、祝福のシャンデリアのような水銀灯で出迎えてくれた街。
 ちいさな双子の生命が生まれ、はぐくまれた街。

 そして ── 。


 


 僕は、車のラジオのスイッチを入れた。

 カーオーディオのCDは、もう半年以上、聴いていない。 CDを聞いていた頃を思い出したくなくて、スイッチを入れる気になれなかった。

 ラジオのアナウンスは、ゆったりとした低い声で、語りかけている。

 車は、いくつもの信号の下をくぐり抜けながら、親しんだ街から離れていく。


 


 こんなことが、世の中にはあるのだと、他人事のようには聞いていた。 だけれど、── 僕自身がこんな人生を経験するとは、夢にも思っていなかった。


 しかし、これは現実に起きたこと。 どんなに目を背けてみても、僕に降りかかってきたことであるという事実は、変えることはできない。


 もう、僕たちの家族は、後戻りは出来ない。 別々の未来を、歩き始めてしまったのだから。


 


 車は、街のはずれの高速道に合流しようとしていた。 この高速道に乗ってしまえば、もう二度と、この街に来ることもない。

 そのとき、ラジオのアナウンスが、ふと止まり、懐かしいメロディーが流れ出した。 


 サッチモ、ルイ・アームストロングの、What a wonderful world ── 「この素晴らしき世界」。


緑あふれる木々、咲き乱れるバラが僕らを優しく包む。 なんて── なんて素敵な世界だろう

 
 幸せから一番遠い世界で、車を走らせている僕に、それは、あまりにも唐突なタイミングだった。
 ── 偶然にしては、あまりにも、出来過ぎている。


 この曲は、僕に対する皮肉なのか、それとも、僕への励まし、祝福だったのか。



 僕は、目の前の視界が、少しずつ、にじんでいくのを感じた。
 この先、どんな人生になるのだろう。 なにが待っているのだろう。 あの高速に乗った、その先に ──。


 


 高速道の合流の上り坂に差しかかり、僕はあわてて、強く、まばたきをする。
 もう、後戻りはできない。 それだけは、確かなこと。


 僕は、思いを振り切るように、アクセルをいっぱいに踏み込んで、高速道への上り坂を加速した。


 あの道の向こう、新しい人生、約束の地を目指して。




                                                                                 


ameba lanking banner
スポンサーサイト


丘の上の喫茶店のお茶会話


ごあいさつ | BLOG TOP |
珈琲片手に お茶会話を書いてみたりする














マスターにだけ表示を許可する





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。